【イケシリ】sweet dreams*2【短編集】
第3章 放課後の罠(R18エンド)—アーサー—
アーサーはそれからしばらく私に体重を預けたまま、私もアーサーの体温を感じながら目を閉じていた。
……あれ?なんで……。
そう思った時温もりが離れ、上から見下ろされる。
「、泣いてるの?!なんで?
痛かった?あ、俺のこと好き。
好きだからね?これからもこうやって……って今いうとやらしーけど、一緒にいたいと、思ってるよ?ちゃんと!」
慌てて一気にまくしたてる様子がおかしくて可愛くて、吹き出してしまう。
「ごめん、なんか、嬉しかったのかな?
自分でもよくわかんない。」
目尻に涙を溜めたままへらっと笑った。
そう、たぶん嬉しかったんだなぁ、私。
「なんだ……よかったー。傷つけたかと思った……。
ね、順番違っちゃったけど、、付き合ってくれる?」
……………
お互い制服を整えて、手をつないで図書室をあとにする。
「あれ?鍵かかってたの……?」
鍵はかかってないけど、って言ってたような。
「ここで2人きりになってと何があるかわかんないんだから、かけたに決まってるでしょー?
鍵かけてないって言ったのは、その方がドキドキするかなーって。」
呆れるくらいに、私はアーサーの罠に嵌っていたんだと少し悔しくなる。
でも、こんな甘い罠ならずっと嵌ったままでいい。
そんなことを思いながら、つないだ手をぎゅっと握った。
2017.12.10