第2章 高校教師
「先生って料理上手だよね。」
「…そんな事ないですよ。」
「いや、この前のカレーも美味しかったし。
今日もすごく美味しかった。」
「そう言っていただけると嬉しいです。」
「ねぇ、先生。
またご飯食べに来てもいい?」
その言葉に驚き、顔をあげると“佐久間さん”は少年のような人懐っこい笑顔で「ダメかな?」と言った。
本当にどこまでマイペースな人なのだろう。
独特の雰囲気で、つかみ所が無い。
しかし、人を惹き付ける不思議な魅力がある。
そして…とても居心地が良い存在。
そんな“佐久間さん”。
恋ではない。
恋などではない。
それでも、またこうして二人で食事をしたいと思う。
「またいつでも食べに来て下さい。」
そう笑う私に、佐久間さんは「嬉しい。ありがとう。」と微笑んでくれた。
【高校教師】おわり