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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第23章 過去の女


◇◆◇



帰宅すると、玄関にはまたしてもハイブランドのハイヒールが脱ぎ揃えてあった。



佐久間さんは今日も帰りが遅くなると言っていた。

ドアノブを掴む手が震える。

このまま立ち去ろうかとも思ったが、ここは私の家でもるのだから、立ち去るべきは“あの女”だ。



深呼吸をし、感情を整えた。

こんな事で動揺するような女だとは思われたくなかった。

それは…佐久間さんの“現在の恋人”であるという小さなプライドからだ。



リビングのドアを開けると、デミグラスソースの芳醇な香りがした。

それと同時に、ローテーブルの下でうずくまっているコロの姿が見えた。

知らない女が家に出入りし、不快感を持っているのは私だけでは無いようだ。



キッチンから聞こえる物音。

家主の留守中に合鍵で忍び込み、料理を作るなど…恋人にしか許されない行為だと思う。

無言のままリビングを進み、キッチンへと向かう。

白いタートルネックを着た神田美咲は、私がいつも使っているエプロンを身に着けていた。






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