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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第22章 スクリーンの中で


「俊二…女性に興味あったんだ?」



ローテーブルに置かれたティッシュへと手を伸ばし、神田美咲はそう言った。

目頭の涙を拭きながら、私の顔をじっと見つめる。

その瞳の大きさに、思わず視線をそらした。

当然ながらテレビ画面を通して見るよりも美しいと思う。



“女性に興味あったんだ?”



それは一体どう意味なのだろうか。



「昔、俊二と付き合ってたの。」

「…え?」

「聞いてない?

この部屋で暮らしていたの。
何も変わってなくて驚いた。

さすがにベッドは買い換えたみたいだけど。」



そう言うと、神田美咲は立ち上がり、ソファーの背もたれに掛けてあったコートと鞄を手に取る。



私は…何と応えれば良いのだろうか。

知りたくなかった佐久間さんの過去。

いや、こうして神田美咲がこの部屋へやって来たという事は…“過去の話”ではないのかもしれない。



「鍵、もらっていくね。
また来るから。」



意味深な笑みを浮かべ、神田美咲はリビングを出て行った。



呆然となり、テーブルの上に置かれたコーヒーをただ眺める事しか出来ない。



“神田美咲”



こんなにも心を乱されたのは初めてだった。





【スクリーンの中で】おわり






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