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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第22章 スクリーンの中で


いつの間にか空は明るくなっていた。

日の出の美しさが売りと言われているこのホテル。

その言葉通り、息を飲むほどの美しい朝焼けがオホーツク海に広がっていた。



海岸沿いの雪をかき分けながら、彼女の足跡をたどる。

冷たい風が吹いたその瞬間、暁の光の中に黒髪の少女の輪郭が見えた。



接岸した流氷に乗りながら移動しているのか。

フラフラとおぼつかない足取り。

ホテルの浴衣に素足。

まるで吸い込まれるかのように、彼女はオホーツク海を進む。



「待って!!」

「止まりなさい!!」

「小松さん!!」



そう叫ぼうとも彼女が振り向く事はない。

早く彼女を連れ戻さなければ。

流氷に乗れば、そのまま沖に流される事もある。

気温は-20を下回る極寒。

誤って海に落ちれば凍え死んでしまうだろう。



彼女を守らなければ。



何としてでも連れ戻す。



“嫌いじゃない”

そんな理由から選んだ教師の道。



これは私の使命。



きっと私は…

彼女を守るために教師になったのだ。






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