第22章 スクリーンの中で
村瀬先生の出した答えは、彼女の目にどう映ったのだろうか…。
缶ビールを飲み終え、日記帳を閉じる。
続きは東京に帰ってからでも読ませてもらおうと思う。
パラパラと残りのページをめくる。
残るは村瀬先生が彼女の前から姿を消してからの7ヶ月間の記録。
その7ヶ月間の苦悩が記されているに違いない。
時計を見ると午後0時を少し回ったところだ。
明日は少し早めに起床し、食事をしたら直ぐに紋別市街へ戻ろうと思う。
観光スポットかオホーツクでしか食べられないグルメか。
彼女が少しでも笑ってくれるのなら、私は何でもしてあげたいと思う。
部屋の明かりを消し、ベッドで横になった。
いつもは隣で眠る佐久間さんを意識しながら、少しだけ端に寄る癖があるが、今日は真ん中でぐっすり眠れそうだ。
少し寂しい気もするが、今日は慣れない雪道を運転して疲れている。
明日は少し…気温が高くなりますように。
彼女の寝息を聴きながら、私は深い深い眠りへと落ちた。