第20章 氷の世界で見た碧さ
愛美先生の言葉通り、田辺先生はユカさんと付き合い始めたそうだ。
新年会の席で、田辺先生は「何だか…すみません。」と頭を下げていた。
どうやら私の事を好きだと言っておきながら、あっと言う間にユカさんと恋人関係になってしまった事を気にしていたようだ。
しかし、私と愛美先生は歓喜の声を上げた。
あの日飲んだお酒はとても美味しかった。
気がつけば…1月もあとわずか。
時間が経つのが年々早くなっているように感じる。
来週からはいよいよテスト期間。
3年生にとっては卒業がかかっている大切なテストだ。
しかし、大変なのは3年生だけではない。
2年生のテストでは、その結果によって数学授業と英語授業のクラス分けがされる。
この2教科に重きを置いている生徒は非常に多い。
それは彼女も同じ。
小松加奈。
昨年の2学期からの成績は上がり、とくに数学と英語の伸びは著しい。