第14章 正しい答え
保健室の中にある4畳半ほどの部屋。
中にはソファーとテーブルが置いてあり、ちょっとした応接室といった雰囲気だ。
その部屋で、彼女は今日もプリントの問題集に取り組んでいた。
心配そうな表情を浮かべる愛美先生に軽く会釈をし、部屋のドアをノックする。
すぐさま彼女の返事が聞こえた。
しかし…その声に覇気は無い。
ゆっくりとドアを開けると、彼女はソファーに横たわり、ただじっと天井を見つめていた。
「分からない所ある?」
「…全部。」
「じゃあ…最初から教えるよ。」
「もういいよ。」
「良くない。」
「私、学校辞めるからさ。」
「それはダメ。」
「もういいじゃん。放っといてよ。」
「放っておけない。」
「どうせ先生も“教頭”の言いなりだもんね。」
彼女はそう言って深いため息をつく。
いわゆる“保健室登校”。
彼女がこの部屋で過ごすようになり、2週間が経とうとしていた。