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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


リビングに向かうと、高杉さんが満面の笑みを浮かべながら、こちらを向いて立っていた。



その横では、佐久間さんがふふっと腕を組みながら微笑んでいる。

何か嬉しい事でもあったのだろうか。

いつもとは異なる二人の雰囲気に、私は首をかしげる。



「先生、これプレゼント。」



そう言って高杉さんは、背中に隠していた大きな薔薇の花束を手渡してくれた。



驚いた私は思わず言葉を見失ってしまう。



薔薇の強い香りに包まれ、心がわずかに高陽した。

こんな素敵なプレゼントをもらったのは初めてだ。



薔薇の花束を女性に渡す男性など、何て“気取って”いるのだろうと思っていた。

しかし、高杉さんはそんな“気取った”事でさえもサラリとやってのけてしまう魅力があるのだ。



「来る途中にさ、綺麗な花屋があったの。」



そう高杉さんは笑う。



私の感じていたほんの少しの疎外感。

そんなものはもうどこかへ行ってしまった。

全ては私の思い過ごし。

そう思えた。



両手いっぱいに抱えた薔薇の花束をキュッと抱き締める。



「ありがとうございます。」と、私は精一杯の笑顔でお礼を言った。






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