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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


「あっ。そういえば手紙届いてたよ。」

「手紙…ですか?」

「そう。前のアパート宛てで。
転送されてきてたよ。」



佐久間さんはそう言うと、テーブルの上に置かれていた手紙を手渡してくれた。



真っ白の厚手の封筒。

慶事用切手に消印が押してある。

差出人を見ると、大学時代の同期の名前が印刷されていた。



「いいね、結婚式。」

「あ…そうですね。」

「もう俺、何年も結婚式出てないな。」



佐久間さんは湯気の立つ鍋をかき混ぜながらそう笑った。



正直…私は友人の結婚式に出席した事は一度も無い。

そもそも招待状が送られてきた事など初めてだ。

昔から親しい友人などいなかったのだから当然か。

差出人の同期の名前も、こうして招待状を受け取るまで忘れていたほどだ。



「場所はどこ?都内?」



私の心境とは裏腹に、佐久間さんはとても楽しそうだ。



「今、開けてみますね。」



封を切り、取り出した招待状には都内の結婚式場の名前が記されてあった。






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