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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第10章 まばたき●


今夜は佐久間さんのリクエストでカレーを作る約束をしていた。

まるで子供のようだといつも笑ってしまう。



最近では料理のレシピサイトを見ながら作る事が増えた。

もともと料理が得意ではなかった私にも、それなりの物が作れるので重宝している。

私の作った料理を、佐久間さんは毎日「美味しい」と言って食べてくれる。

至福の一時だ。



ジャガイモの皮を剥きながら、イヤホンのボリュームを上げる。

流れてきたのは『strawberry』。

以前、愛美先生が保健室のパソコンでミュージックビデオを見せてくれた曲だ。



ドラムのハイハットから始まる壮大なミディアムバラード。



高杉さんの書く歌詞は抽象的な物が多い。

私がこの曲に受けた印象は“純愛であるが故のグロテスクさ”だ。

ただ…最後の『甘い 甘い strawberry』という歌詞は、どこか胸が苦しくなるほどの甘いささやきに聞こえた。



ジャガイモを切り、続いてニンジンの皮を剥く。

思わず鼻歌が出てしまいそうになる。

今は部屋にコロと二人きり。

佐久間さんは帰宅までもうしばらく時間がかかりそうだ。

柄にもなく、私は鼻歌を歌いながらニンジンを切った。






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