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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●






頭の中では何度もthe IVYの『insomnia』が流れていた。

数時間前まで見入っていたドラマのエンディング曲だ。

ドラマの余韻にひたって…という訳ではない。

相変わらず私の頭の中には彼女がいた。

小松加奈。



「the IVYの『insomnia』だって。」



携帯電話を片手にそう、ぶっきらぼうに答える彼女の顔が頭に浮かんでいた。



今頃彼女はどうしているだろう。

彼女もドラマを観ていると言っていたが、今夜は自宅で過ごしたのだろうか。

村瀬先生と会うのはいつも平日の夜だ。

休日は婚約者と過ごす村瀬先生の都合なのだと思う。



今日は木曜日だ。

もしかすると彼女は今頃、村瀬先生と…。

そう考え始めると眠気など吹き飛んでしまった。

時計を見ると午前0時を回ったところ。

もし村瀬先生と会っていたとしても、さすがにもう自宅へ帰っただろう。

確かめる術はないが、何とか落ち着かない心を静めるべく頭から勢いよく毛布を被った。






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