第1章 オレの家に来るって
ピンポン
チャイムが鳴った。
しまった、もう桃浜が来てしまったか。まだ片付けは完璧ではないが、仕方がない。
オレは桃浜を招き入れるため、玄関のドアを開けた。
「伊豆くん、おじゃましまーす」
ニコニコと笑顔の桃浜がそこにいた。
ああ可愛い、なんて可愛いんだ。天使とはこういうことを言うんだろうな。
「よく来たな、桃浜。実は、まだ片付けが終わっていないんだが…」
「あは、そんなことだろうと思った。いつものことだからね、わかってるよ」
桃浜はコロコロと笑いながら部屋へ足を踏み入れ、ほらまたベッドの上を物置きにしてるんだから、なんて言いながらクッションを引っ張り出すと床に座った。
部屋が汚いことを怒ってはいないみたいだ。桃浜は優しいなあ。