第12章 第8章 美しい人の三日月sideです
こぎつねが見たらさぞ羨ましがるだろうな。
『うん!!』
繋がれた手に力をこめられたのがわかった。
勇気をだして手を繋いでよかった。
そう思った矢先のことであった。
「なにあれ、マネージャー?」
後ろから聞こえた言葉の
意味は理解できなかったが、
主を傷つけられたことはわかった。
主の可愛い顔は曇り、
繋がれた温もりも離れてしまった。
『女の人達に囲まれて、困ってたのに…
助けてあげられなくてごめんね。』
俺のせいで傷付いたはずなのに。
主はやはり、優しい女子だ。
「いや、それは大丈夫だ。
して主よ、まねーじゃーとは何だ?」
『マネージャーっていうのは、みんなを裏で支える人のことかな!』
そう言うと、主の表情はまた曇ってしまった。
鶴なら、
もっと上手いこと声をかけられるのだろうか…
「そうか…主よ、疲れたのではないか?
本丸に帰らぬか?」
俺には、どうも主を笑顔にすることは出来ないようだ…
でーとという雰囲気ではなくなってしまった。
志し半ばではあるが、
主が辛そうならば帰った方がよいだろう。
『そうだね…そろそろ帰ろうか。』