第6章 美味しい秘密
あーあ。
主は本当に無防備だなぁ。
くるくる変わる表情も、
つまみ食いしちゃう子どもっぽいところも、
全部、好きだよ。
そんなに食べたいならあげるよ。
僕は、君のために作っているんだからね。
あげるけど、
僕だって君が欲しいな。
少しじっとしててね。
彼女が逃げてしまわないように
身体を抱き寄せると、
ほら、また表情が変わった。
『み、光忠…?』
驚いた顔も可愛いけど、
頬を赤くして照れる君はもっと可愛い。
なんの前触れもなく、
彼女の唇を奪う。
もちろん、優しくね。
『んっ…みつただぁ』
甘えたような声と涙目の君は、
本当に無防備だ。
ここでやめちゃうのは勿体ないかな。
「ふふっ。ごめんね、アリス」
僕はまた、彼女の唇を奪った。
今度は…優しくできそうにないや。