第3章 真夜中の秘密
ああ、そうか…
あの時、主はこう言って欲しかったのか。
他の男の言葉で喜ぶ主を見て、
なんだか無性にイライラする。
それ以上、
主が他の男士と仲良くしているところなんて見たくない。
山姥切「おい。俺はもう寝るからな。」
俺の言葉に
主は少し寂しそうな顔をした。
そんな顔をしないでくれ
たまらなくなる。
二人の横をすり抜けて部屋に戻ろうとすると
『んんっ!きよみ、つ』
なっ!!!
突然、主の甘い声が後ろから聞こえきた。
驚いて二人の方を見ると、
加州が主の首に所有印をつけていた。
どうも居心地が悪い。
ふと主の様子がおかしいことに気づいた。
だんだん力がなくなっていっているような…
ま、まさか加州のやつ霊力まで…?
俺の予想は当たっていた。
主の体が加州の腕をすり抜けて
力なく床に落ちていく。
考えている暇なんかない。
迷わず主の元へ走る。
すんでのところで主の体を抱きとめる。
よかった。
どこかを怪我をしている様子はない。
加州「あれ…俺…なにして…
主と山姥切…?」
山姥切「何も覚えていないのか?」
加州は何も覚えてないようだった。
まぁ、
主が倒れるほどの霊力をもらったんだ。
酔と一緒に記憶も少しとんでしまっても
不思議ではない、か…
山姥切「主は俺が部屋まで運んでおくから、
もう休むといい。」
どこか腑に落ちない様子の加州を置いて、
主を抱き上げ部屋へ向かった。