第2章 刀剣男士の恋愛事情
歌仙Side
主を見つけたとき、
どれほどほっとしたことか。
主を見つけることができたのは、
五虎退の虎のおかげだ。
神社のお社によりかかって
静かに眠る主を見たとき、
とても愛おしい感情に包まれた。
口ではつい厳しいことを言ってしまうが、
それほど彼女が大切だった。
......
馬の上で、
落ちまいと必死にしがみつく主を見て、
不覚にも頬が緩んでしまう。
それにしても、
主が一人で町の方に行くだなんて...
一体どうしたというのだろう?
本丸が嫌になってしまったのだろうか。
歌仙「どうして一人で町の方に行ったんだい?」
主の体が少し強張ったのがわかった。
急に話しかけて驚かせてしまったことに
申し訳ない気持ちになる。
『えっと、この前、
町の方に美味しい甘味処があるって聞いて、
行ってみたくなったから...』
それを聞いて、
本丸が嫌になったわけではないのだと
安心する。