第2章 刀剣男士の恋愛事情
歌仙「主、しっかり掴まっているんだ。」
『は、はいっ!!』
私は急いで歌仙の背中に手をまわす。
それと同時に馬が歩き出した。
馬が歩くたびにゆらゆら揺れる。
歌仙には申し訳ないけど、
歌仙の着物を前と後ろで握りしめて、
下に落ちないようにしがみついている。
歌仙 ごめんなさい...
歌仙の服、しわくちゃになってるわ...
歌仙「どうして一人で町の方に行ったんだい?」
急に話しかけられて、
体がびくっとする。
歌仙の声は、
責めているようではなくて
少し安心する。
『えっと、この前、
町の方に美味しい甘味処があるって聞いて、
行ってみたくなったから...』
歌仙「甘味なら、
僕がいつでも作ってあげるのに...」
『で、でも
歌仙だって遠征が続いていて疲れてるでしょ?
わたしのわがままで迷惑かけたくなくて...
でも、
こうやって迷子なんかになって
結局、迷惑かけちゃったよね。
ごめんなさい...』
......
あれ? 返事が返ってこない。
何も返ってこない。
ちらっと歌仙の方をみるけど、
暗くてどんな顔をしているのかよくわからない。
ごめんなさいって言っても
何も返してこないなんて...
きっと、ものすごく怒ってるんだ。
う~ん...