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*トライアングル*【R18】

第10章 バトル勃発、始まる奇妙な関係





「俺たち気付いたんだ…」

「…え…?」

「アンタが俺たちの前からいなくなるくらいなら……今はまだ…アンタを独占出来なくてもいいって」

「……、」

リアンくんの言葉に皐月くんも頷いている。


「アンタ昨日…俺たちの気持ちには応えられないって言ったよな?」

「…う、うん……」

「あれってさ…どっちの事も好きだから選べないって事だろ?」

「……、」

狡いとは思いながらもその問いに小さく頷く。
もう今更自分の気持ちを隠すつもりはない。


「お互い好きなのに身を引くなんておかしくね?…まぁ真面目な性格のアンタからすれば、2人と同時に付き合うなんてブッ飛んだ考え方かもしれねーけど」

「………」

「とにかく…俺たちはそう決めたから。後はアンタ次第」

「っ…」

じっとこちらを見つめてくる2人。
その真剣な表情を見れば、彼らが本気なんだという事は容易に分かる。

でも…本当にそれでいいの……?
私はまた彼らの優しさに甘えてしまう…


「桜子さん…そんな顔しないで?俺は桜子さんの側にいられればそれでいいんです。だから俺を恋人にして下さい」

「…皐月くん……」

「…おい。何1人で堂々と抜け駆けしてんだよ」

「悔しかったらリアンさんもそう言えばいいじゃないですか」

「…お前」

バチバチと火花を散らす2人。
私が戸惑っていると、不意にリアンくんがこちらに視線を向ける。


「つか…まだアンタの口から聞いてなかったよな」

「え…?」

「俺らに対するアンタの気持ち」

「っ…、でもそれはさっきリアンくんが…」

「アンタの口からハッキリ聞きたいんだけど」

「……、」

「じゃないと俺ら不安になるし?」

その言葉とは裏腹に、いつものように意地の悪い笑みを浮かべるリアンくん。
こんな事を言うのは狡いと思うし、まだ罪悪感は拭いきれていないけれど…

(私の今の気持ち…2人にちゃんと伝えなくちゃ…)

小さく息を呑んだ後、顔を上げて交互に2人を見つめる。


「私は……リアンくんの事も…皐月くんの事も……2人とも……、好き…」

…とうとう言ってしまった。
もう後戻りは出来ない。
でもこれが…今の私の正直な気持ちだから…



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