• テキストサイズ

*トライアングル*【R18】

第5章 ツンデレ、風邪を引く





「…もしもし、リアンくん?」


とある休日…
何の前触れもなくリアンくんから電話が掛かってきた。
また何か妙な事を言ってくるのではないかと一瞬身構えたが、何だか彼の様子がおかしい。


『…助けて……』

「え…?」

『…俺……死ぬかも…』

「…!ちょっ…、リアンくん!?」

訳が解らないまま電話が切れる。
もう一度掛け直してみようと操作していると、今度はメールが送られてきた。

(…何…?これ…)

どうやら何処かの住所のようだが…
ひょっとしてここへ来いという事だろうか?
そんなに遠い場所でもないし、悩んだ末私はメールに書かれたそこへ行ってみる事にした。





(…うわ…なんかすごく豪華なマンション……)

目の前に立ちはだかるのは、いわゆるタワーマンションという建物。
メールには部屋番号も書かれているし、恐らくここで間違いないと思うのだが…


(うぅ…入りづらい……)

こんな所に部外者の私が入っていいものだろうか…
けれどここまで来て引き返す訳にもいかない。

私は勇気を振り絞って、エントランスに足を踏み入れた。


「こんにちは」

「…!」

中へ入るとすぐに、マンションのコンシェルジュと思われる男性に声を掛けられる。
私は慌てて挨拶を返し、メールに書かれていた部屋番号の家主について尋ねてみた。


「ああ…貴女が相沢様ですね。リアン・スペンサー様よりお話は伺っております」

「……、」

(リアン・スペンサーって……リアンくんの事だよね…?)

でも彼のフルネームは、『高梨リアン』だったはず…
まぁ向こうの人はミドルネームとかあるみたいだし、私が聞いていた名前は本名と少し違うのかもしれない。


「相沢様がいらしたらお部屋までお連れするよう言われておりますので、私がご案内致します」

そう言う男性に促されるままエレベーターに乗り、辿り着いたのは最上階だった。



「こちらがリアン・スペンサー様のお部屋でございます。私は1階に戻りますが、何かございましたらお気軽にお申し付け下さいませ」

「あ、ありがとうございます」

男性は丁寧にお辞儀をすると、再びエレベーターの方へ向かって歩き出す。
ホッと一息ついたのも束の間…
私は緊張で震えそうになる指で、目の前のインターフォンを押した。



.

/ 248ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp