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*トライアングル*【R18】

第4章 まるで飼い主とペット





「俺…桜子さんになら飼われてもいいです」

「っ…」

私の隣に腰を下ろした皐月くんがそんな事を言ってくる。
その瞳はどこか熱を孕んでいるように見えて…


「も、もぅ!変な冗談言わないの!」

私は敢えて気付かないフリをし、慌てて写真集に視線を戻す。
すると彼が、テーブルの上に置いてあった私の手をそっと握ってきた。


「冗談なんかじゃないのに」

「…!」

今度はしょんぼりとした顔でこちらを見つめてくる。

(その顔はやめて…!)

私は彼のその顔に弱かった。
まるで飼い主に見捨てられた、子犬のような目…
何だかこちらが悪い事をしている気分になってくる。


「俺…桜子さんの命令なら何でも聞きますよ?」

「……、」

(な、何を言ってるのこの子は…!)

徐々に妖しくなっていく雰囲気…
私はそれを壊す為、ふざけて彼に「じゃあ、お手!」と言った。
一瞬驚いた様子の彼だったが、すぐに笑顔で「はい」とお手の真似事をする。


「はい、よく出来ました!」

この話はこれで終わらせようと立ち上がれば、彼に腕を引かれ抱き寄せられた。


「ちょっ…、皐月くん…!」

「…イイ子に出来たら、ちゃんとご褒美もくださいね?それも飼い主さんの役目ですから」

「っ…」

そう妖しく笑う彼に、素早く唇を塞がれる。
触れるだけのキスをして、彼は満足そうに私を放した。


「………」

(もう金輪際、彼を犬に例えるのはやめよう…)

私は心にそう誓うのだった…



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