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*トライアングル*【R18】

第24章 時にはお酒の力を借りて





「ハァ…」

いつものように仕事から帰ってきて溜め息をひとつ。
ここ1週間確実に溜め息の量が増えている。

リアンくんに合鍵を貰った、あの日から…


(これからどうしよう…)

彼に合鍵を貰った事自体は本当に嬉しかった。
それだけ私の事を信用してくれている証拠だし、私の事を想ってくれているからだろう。
でも…

(私にこの鍵を使う資格なんかあるの…?)

最近そんな事ばかり考えてしまう。
リアンくんも皐月くんも、『自分といる時は自分の事を考えてくれればそれでいい』なんて言ってくれているけれど。
私はいつまで2人の優しさに甘えるんだろう…


「あぁもう、やめやめ!」

リアンくんがせっかくくれたのに、私がこんな事ばかり考えてたらダメだよね。
彼の厚意は素直に受け取らなくちゃ…

私は自分自身にそう言い聞かせ、キッチン棚に仕舞っておいた酒瓶を取り出した。
それは年明けに美鈴から送られてきたもので。
お正月休みに彼氏と旅行をしたという彼女からのお土産だった。
お酒に強くない私でも飲みやすい物を選んでくれたらしい。

(明日は仕事も休みだし…たまには飲んではっちゃけようかな)

…1人飲みだけど。










*side 皐月*


(桜子さんどうしたんだろう…)

最近桜子さんの様子が少し変だ。
元気がないという訳ではないが、時々何か思い悩んでいるような顔をしている。
また俺とリアンさんの事で悩んでいるのだろうか?
それともリアンさんと何かあったとか…?

今日もバイトが終わってから桜子さんを家まで送ったが、その時彼女から悩みの種を聞き出す事は出来なかった。
そして俺はそれを後悔している。

(やっぱり聞けば良かった…)

何か悩んでいるなら俺に話してほしい。
俺とリアンさんの事で悩んでいるなら尚更だ。

(電話…してみようかな)

桜子さんの事を考えていたら、無性にその声が聞きたくなってしまった。
ついさっき別れたばかりだけれど。


「………」

結局俺はスマホを手に取り彼女に電話を掛けた。
数コール後その音が止み、愛しい彼女の声が聞こえてくる。


「あっ、桜子さん…?急に電話なんかしちゃってすみません。俺…」

『…さちゅきくん?』



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