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*トライアングル*【R18】

第3章 恋は盲目、ストーカーは犯罪





「あの…色々ありがとう」

リアンくんにアパートまで送ってもらい、部屋の前でそう告げる。
今回の件で彼には本当にお世話になった。
今度改めてちゃんとお礼をしなくては…

そんな事を考えていると…


「…今日は部屋に入れてくれねーの?」

「え…?」

「ま、部屋に入ったら確実にアンタの事襲うけど」

「っ…」

「…ちょっとくらいご褒美貰ってもバチ当たらねーよな?」

そう言った瞬間、彼は私をドアに押し付け唇を重ねてきた。
乱暴な行為とは反対にそのキスは優しい。


「んっ…」

初めは啄むだけのキスだったが、それも徐々に深くなっていく。
唇を舐められ、思わず口を開けるとそこから彼の舌が入ってきた。
いつ誰が来るかも分からない廊下…
私が注意力散漫になっている事に気付いたのか、一旦唇を離した彼が意地悪く笑って囁く。


「…ちゃんと集中してよ」

「……、」

「ほら…腕こっち」

私の両腕を掴んだ彼は、自分の首の後ろへ回すよう促した。
そしてまたキスを続ける。
これでは本当に恋人同士のようだ…


それからどれだけの時間が経っただろう。
ようやく満足したのか、彼はゆっくり唇を離した。
幸い誰にも見られる事はなかったが、私の心臓はバクバクとうるさいくらいに鳴っている。
勿論理由はそれだけではないのだが…


「今日はこれで我慢して帰るけど…」

私の唇を親指でなぞりながら彼は言った。


「今度…返事ちゃんと聞かせてよ」

「…え?」

「俺を恋人にしてって話」

「……、」

「それから…」

顔を近付けてきた彼が耳元に唇を寄せてくる。


「…デートしろよな」

「っ…」

チュッとわざと音を立ててそこにキスをした後、彼は私から離れた。
そしてこちらに背を向け、ひらひらと手を振って階段を下りていく。

私はしばらくドアの前で動けないまま、触れられた唇を指でなぞるのだった…



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