第21章 聖なる夜に
「ま、待って2人とも…っ…、本当に……するの?」
「…もう俺ら我慢出来ねーし」
「桜子さん…ちゃんと優しくしますから」
「っ…」
私の右隣にはリアンくん…
そして左隣には皐月くん…
私たちはこれからとんでもない事をしようとしている…
(3人でHするなんて…)
*
(もうすぐクリスマスかぁ…)
遡る事2週間前…
私は家でぼんやりそんな事を考えていた。
クリスマスと言えばやはり恋人たちの行事。
こんな事我儘だとは解っているが、私はリアンくんとも皐月くんとも過ごしたいと思っている。
でも自分からはそんな事とても言い出せない。
――ピンポーン…
「…?」
うじうじ悩んでいると、突然インターフォンが鳴った。
ドアの向こうにいたのは宅配のお兄さんで。
(……、美鈴からだ)
荷物の送り主は美鈴。
私に何か送ったなんて連絡は来ていなかったはずだけれど。
一体何だろうと思いながらダンボールを開けてみる。
そこにはずいぶん可愛らしくラッピングされた物と一通の手紙が入っていた。
『桜子へ。
少し早いけど私からクリスマスプレゼントだよ!
それを身に着けて彼氏くんたちと素敵なイブを過ごしてね!
P.S. 今度会った時感想聞かせてもらうからよろしく☆』
「美鈴…」
どうやらこれは私へのクリスマスプレゼントらしい。
嬉しい反面、少し嫌な予感もする。
私は恐る恐るそのラッピングを解いた。
(…やっぱり……)
中に入っていたのはサンタクロースのコスチューム(しかも超ミニのワンピース)。
そして純白の下着上下…
フリルのあしらわれたソレは一見可愛らしいデザインかと思いきや、ショーツは完全にTバックで。
(何考えてんの…!)
私は早速美鈴に抗議の電話をした。
『あー良かった、ちゃんと届いたんだね』
「届いたんだねじゃないわよ!あれ一体何!?」
『何って、桜子と彼氏くんたちが盛り上がる為の必須アイテムじゃない』
「余計なお世話です!」
そもそも3人で過ごすと決めた訳じゃないし…
『2人とも絶対喜ぶって』
「こんなの恥ずかしくて着られないから…」
『大丈夫、桜子だったら絶対似合うし!ソレ高かったんだからちゃんと使ってよね!』
「………」
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