第20章 ワンコの憂鬱
「まぁ…これ以上桜子さんが綺麗になったら、それはそれで困るんですけど…」
そんな事を飄々と言う皐月くん。
そしてその笑みは妖しいものへと変わっていって…
「それに俺…あんまり我慢させられたら、また桜子さんの事襲っちゃうかもしれません」
「なっ…」
冗談混じり(多分)にそう言いながら、じりじりとこちらへ近付いてくる。
そんな彼に思わず私は…
「ま、待て!」
と言ってしまった。
当然彼はキョトンとしている。
(しまった…つい勢いで皐月くんをワンコ扱いしちゃった……)
慌てて謝ろうとしたが、彼は満面の笑みを浮かべていて…
「"待て"はまだしばらく覚えられそうにないんで…桜子さんが責任持って俺を躾けて下さいね?」
「っ…」
(ワンコ扱いされてるのに、どうしてそんなに嬉しそうなの!?)
そうして私は、"ダイエット"と称した彼との濃厚なHに溺れていった。
その甲斐あってか、ダイエットは無事成功したのだけれど…
「これでもう…俺に見られても恥ずかしくないですよね?」
「…え……?」
「だから…またいっぱい気持ちイイセックスしましょうね?」
「………」
(あれ…無限ループ……?)
結局私は、ダイエットをしようがしまいが皐月くんのペースに呑まれてしまうのだった…
*