第20章 ワンコの憂鬱
「ぁっ…!」
ずくっと奥まで皐月くんの熱が入ってくる。
私はそれだけの事で呆気なくイってしまった。
けれどそれは私だけではなかったようで…
「んッ…」
私の耳元で小さく声を漏らした彼。
それと同時に彼のモノが中でドクンと脈打った気がした。
「……、皐月くん?」
顔を覗き込めば、彼は何故かバツの悪そうな顔をしている。
「…すみません……、俺…」
「…?」
「…入れただけでイっちゃいました」
「……、」
そう言われると何となく気恥ずかしい。
けれどそれだけ彼も私と同じ気持ちだったのかと思うと嬉しくなった。
「桜子さん…呆れてませんか?」
「…どうして?私は嬉しいよ?」
「……、」
「それだけ私の事感じてくれた証拠でしょう?私…いつも自分ばっかり気持ち良くしてもらってる気がしてたから…」
「そんな…っ…、俺だっていつも最高に気持ちイイ思いをさせてもらってます!…本当は……毎日だって桜子さんを抱きたいくらい」
「っ…」
「こうやってずっと繋がってれば…俺は桜子さんのものだって実感出来るから……」
「…皐月くん……」
互いに見つめ合った後唇を重ねる。
ぎゅっと抱き締められながら熱いキスをされ、いつも以上に彼の想いが伝わってくる気がした。
「続き…してもいいですか?」
「…うん」
私ももっと皐月くんを感じたい。
結局私たちは、いつものように朝方まで互いを求め合ってしまった…
*
「桜子さん……今なんて…?」
「だ、だからね…」
それから数日後…
何とか体重を1キロ落とした私は、残り1キロ落とすまではHを控えたいと皐月くんに告げた。
すると、予想はしていたものの異議を唱えてくる彼。
「俺…気にならないって言いましたよね?」
「さ、皐月くんが気にならなくても私が気になるの!」
「………」
そう返しても、彼は納得がいかないというような顔をしている。
けれど次の瞬間、その表情は何故か明るいものになって…
「それじゃあ俺が手伝います」
「…え……?」
「セックスだって十分イイ運動になると思うし…。それに…気持ちイイセックスは女性を綺麗にするって聞いた事がありますよ?」
「っ…」
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