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*トライアングル*【R18】

第20章 ワンコの憂鬱





(うぅ…やっぱり……)


ある日の夜…
体重計に乗った私は、その数値を見て焦りを感じた。
薄々気付いてはいたけれど、体重が2キロも増えていたのだ。
夏が終わってからは食欲も増し、以前よりも確実にお腹や背中がぷにぷにしている。

(こんな体、リアンくんにも皐月くんにも見せられない…)

そう自己嫌悪し、その日から私はダイエットに励む事を決意した…













それから3日後の日曜日…
今日は1日皐月くんと過ごしていた。
外でデートした後、夜はいつものように彼が私の家へ立ち寄る。
けれどいつもと違ったのは…


「桜子さん…」

「っ…、ま、待って…!」

「…?」

ソファーに座ってキスを交わすと、そのまま彼に押し倒されそうになる。
この後の展開が予測出来た私は、慌てて彼の体を押し返した。

(痩せるまでは絶対にH出来ない…!)


「ご、ごめん…今日はちょっと……」

「……、」

拒まれるのが予想外だったのか、目を丸くさせている皐月くん。
思えば、こうして彼を拒んだのは初めてかもしれない。
本当はちゃんと理由を話せば良いのかもしれないが、理由が理由なだけに恥ずかしくて言い出せなかった。


「そう…ですか」

「……、」

明らかに落ち込んだ様子の彼。
その表情を見て罪悪感が募る。
けれどもう一度謝ろうとした時、彼は優しい笑みを浮かべ「そういう日もありますよね」とそれ以上は追及してこなかった。

(ごめん、皐月くん…)

今の私の体型を見たら…幻滅とまではいかなくても、きっとガッカリすると思うから…

結局その日は彼とHをせず、ただ他愛ない話をして別れた。
この事が原因で、後に彼を傷付けてしまうなんて思いもせずに…













「…桜子?」

「…?」

それから更に1週間後…
買い物をした帰り道、聞き覚えのある声に呼び止められた。
声のした方へ視線を向けると、そこには…


「…!颯ちゃん!?」

「やっぱり桜子か!」

私のよく知る男性――橘 颯太が立っていて。


「久しぶり!元気だったか?」

「う、うん…颯ちゃんは?」

「俺も元気だよ」

そう言って彼は無邪気に笑う。
何を隠そう彼は私の元彼であり、色んな意味で"初めての人"でもあった。



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