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*トライアングル*【R18】

第18章 Trick or treat!





(ト、トリックオアトリートって…)

勿論その言葉の意味は知っている。
けれど今この瞬間、手元にお菓子などあるはずもなく…


「…お菓子持ってねーの?」

「……、」

「それじゃあ悪戯だな」

そう囁いて、リアンくんは私の耳に舌を這わせた。
そしてその手は、あろう事か私のスカートの中へ…


「ちょっ…、何してっ…」

「…悪戯だって言っただろ?」

「っ…」

そう言いながら厭らしく太腿を撫でてくる。


「こんな短いスカート穿いて…誘ってるとしか思えないんだけど?」

「だから違っ…」

制止する私を気に留める事もなく、今度は首筋に顔を移動させる彼。
何度か舌を上下させた後そこを甘噛みしてきた。


「っ…、ダメだって…!」

「今日は俺…ドラキュラだから」

「……、」

「アンタも黒猫らしく鳴いてみてよ…そしたら止めてやってもいい」

「…え……」

な、鳴くって…?
そう戸惑っている間にも彼の手は妖しく動き、とうとう私のお尻を撫で始める。


「きゃっ…」

「…早く鳴かねーと最後までスるぞ」

「っ…」

彼の言う事はどこまで本気なのだろう…
けれどいつ誰が来るかも分からないこの場所で、いつまでもこんな事をしている訳にもいかない。


「…リ、リアンくんお願い……」

「………」

「は…放してほしい……、にゃん」

「ッ…」

恥を捨ててそう告げれば、ピシリと固まるリアンくん。
無理矢理こんな事を言わせておいて引くのはやめてほしいのだけど…


「なぁ……もう1回言って」

「い、嫌だよ!」

「…言う事聞けない猫にはお仕置きが必要だな」

「ちょっと…!」

話が違う…!
じたばた暴れる私の両腕を壁に縫い付けた彼は、もう一度首筋に顔を寄せてきた。
けれどその瞬間…


「…何やってるんですか」

「…!」

聞き慣れた声が響く。
咎めるようなその声の主は勿論"彼"で…


「さ、皐月くん…!」

「ハァ…2人とも戻ってこないと思ったら」

「チッ…イイとこで邪魔してんじゃねーよ」

「まったく…油断も隙もない人ですね」

リアンくんの腕から逃げ出した私は、悪態をついている皐月くんに駆け寄りその背後へ隠れた。


「桜子さん、大丈夫ですか?あのセクハラ吸血鬼に何されたんです?」



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