第17章 文化祭へ行こう
「ッ…」
鈍い痛みを感じたのか、皐月くんは一瞬顔を歪ませた後その口元に笑みを浮かべた。
そして自分の背中に回されていた私の手を取り、指を絡ませるように握ってくる。
「じゃあ…桜子さんのイくとこ見せて…?」
「ぁっ…!」
私を追い詰めるように、弱い所ばかりを狙ってくる彼。
ぽろりと生理的な涙が零れた瞬間、私は呆気なく達してしまった。
「はぁっ…、桜子さん可愛過ぎ…ッ…。俺ももう…っ…」
ひくひくと収縮を繰り返す私の中を何度か突くと、彼も小さく呻き絶頂を迎える。
耳元を擽る彼の熱い吐息。
少しだけ体を起こした彼は、私の額や瞼、頬にキスの雨を降らせてきた。
「もう少し…このままでいてもいいですか?」
「…うん……」
繋がったままの状態でキスを交わす。
その蕩けるような甘いキスに酔いしれていると、唇を離した彼がクスリと笑った。
「……、なに…?」
「本当に…桜子さんは俺には勿体ないくらい可愛い彼女だなぁって実感してたところです」
「そ、そんな事…」
「今日三上にもそう言われたんですよ」
「…え……?」
「俺が他の女の子に興味を示さない理由…。あんな彼女がいたら、そりゃあ目移りする訳ないよなって納得されました」
「……、」
つらつらと恥ずかしい事を言われ、赤かった顔が更に熱を帯びる。
私の反応を見た彼は目尻を下げ、もう一度触れるだけのキスをしてきた。
「俺の想い…ちゃんと伝わりました?」
「っ…」
そんな嬉しそうな顔で…
そんな優しい声で囁かれたら、頷く以外の選択肢は無い。
「あの…桜子さんにひとつお願いしてもいいですか?」
「…?」
「俺のココに…桜子さんのモノだって印…付けてほしいです」
そう言う彼が指差したのは自分の左胸。
印というのは勿論、キスマークの事だろう。
「……、でも…」
「ココなら見えないし……いや、俺としては別に見えても構わないんですけど」
飄々とそんな事を言いながら私を抱え、一旦体を起こす彼。
すぐ目の前には逞しい彼の胸板があって…
(すごく恥ずかしいけど…)
私は意を決して彼の胸に痕を残した。
「…ありがとうございます」
「っ…」
そう言って嬉しそうに笑う彼の顔を、私はきっと一生忘れない……そんな気がした…
*