第17章 文化祭へ行こう
「私の方こそごめん…。皐月くんを信用してないとかそういう事じゃないの…それだけは解ってくれる…?」
「桜子さん…」
「これは私自身の問題っていうか…。私は多分…自分に自信が無いんだと思う…」
皐月くんだけじゃなくリアンくんに対しても思う事だけど…
彼らに愛を囁かれる度、私は本当に彼らに想われる資格があるのだろうか……時々そんな事を考えてしまう。
私の体を少しだけ離した彼は、その大きな手でそっと両頬を包んできた。
「桜子さんは本当に素敵な人です…。世界中探しても桜子さん以上の人なんてきっと見つけられない……だからそんな事言わないで下さい」
「……、」
いつだってストレートに気持ちを伝えてくれる皐月くん。
端から見ればただのバカップルかもしれないが、こんな風に私の事を想ってくれる人はこの先現れないかもしれない。
「桜子さん…髪が少し濡れてますね」
そう言って彼は私の頬に触れていた手を髪に絡ませる。
今日は歩き回って汗をかいたし、皐月くんが来る前にシャワーを浴びておいたのだ。
「皐月くんも…石鹸のイイ匂いがする」
「はい…。打ち上げの後、運動部のシャワー室借りたんです」
少しずつ近付いてくる彼の顔…その唇が私の耳元に寄せられて。
「…昼間俺が言った事覚えてます?」
「…え……?」
「桜子さんにはもっと俺の事知ってほしいし、俺の気持ちを伝えたいって言った事」
「っ…」
「シャワーを浴びて待ってくれてたって事は…俺、期待してもいいですか?」
「……、」
吐息混じりに囁かれたその言葉に、私はこくりと小さく頷いた…
「んっ…」
ベッドに腰掛け口付けを交わす。
ぬるりと入り込んできた彼の熱い舌が、私のそれを優しく絡め取った。
昼間とは違う優しいキス…
けれど私の口腔内を探るようなその動きは徐々に厭らしくなっていく。
「はっ、ん…」
うっすら目を開けるとこちらの様子を窺っていた彼とバッチリ目が合い、私の興奮も更に増していった。
キスだけでじんと熱くなる下腹部。
思わず彼の手をぎゅっと握ってしまう。
「そんな可愛い事されたら…先に進まない訳にはいきませんね」
そう言って笑う彼に、キスをされながらやんわり押し倒された。
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