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*トライアングル*【R18】

第17章 文化祭へ行こう





「そう言えば、M大の文化祭ってそろそろじゃなかった?」


仕事が終わった帰り道…
いつものように私を送ってくれる皐月くんにそう尋ねてみた。
彼は私の出身大学でもあるM大の在学生。
文化祭はいつも10月の半ばに行われていたはずだけれど…


「あー…、そうですね…」

「…?」

珍しく歯切れの悪い彼。
あまり触れられたくない話題だったのだろうか?


「皐月くんは模擬店に参加したりしないの?」

「は、はい……俺は別に…」

そう言う彼の目は明らかに泳いでいる。
…絶対嘘だよね?

(皐月くん…何か隠してる?)


「そ、それじゃあおやすみなさい!」

もう少し問い詰めようとしたが丁度その時アパートに着いてしまい、彼は足早に立ち去っていった。

(なんか怪しい…)

皐月くんがあんな態度をとる事はまず無い。
余程私に隠したい事があるのだろうか…

(うーん…気になるなぁ……)













「へぇ~、ここが桜子の通ってた大学かぁ」


M大の文化祭当日。
結局あれ以来、皐月くんの妙な態度の原因を聞けずにいた私は、彼に内緒でこっそり文化祭へ来ていた……親友の美鈴を引き連れて。


「結構盛り上がってるみたいだね~」

「うん…」

「桜子の彼氏くん見られるなんてすっごく楽しみ」

「会えるかどうかは分からないってば」

そもそも彼が模擬店に参加してるかどうかも分からないし…


「なーに言ってんの。会えなかったら電話でもして呼び出せばいいじゃん」

「で、でも…今日は内緒で来ちゃったし…」

「彼女が遊びに来てくれて嬉しくない彼氏なんている訳ないでしょ?いるとすれば…」

「…すれば?」

「うーん…実はあんたの知らない所で浮気してるとか」

「なっ…」

「冗談だってば、いちいち真に受けないの。桜子ってばホントに真面目なんだから」

「………」

(そうだよね…皐月くんに限って浮気なんかするはずない…)

それはこの間の件(彼と紫さんの)でよく解っている。

けれど…
それじゃあ彼は本当に何を隠しているんだろう…





「そこのお姉さま方、是非うちのお店に寄っていって頂けませんか?」

「…?」

美鈴と色んなお店を見て回っていると、執事のような格好をした男の子に声を掛けられた。



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