第13章 小悪魔の誘惑
「桜子ー。最後にあのお店も寄っていい?」
「いいけど…。美鈴、まだ買うつもりなの?」
「あそこで最後にするから」
今日は美鈴とショッピングモールへ買い物に来ていた。
まだまだ暑さは続いているが、そろそろ秋物が欲しいと言っていた彼女。
その両手はすでに買い物袋でいっぱいになっていたが、まだ何か買う気らしい。
「ねっ、せっかくだから桜子も何か買いなよ」
「……、」
彼女が最後に入ったのは、お洒落な雰囲気のランジェリーショップ。
可愛い物からセクシーな物まで幅広い商品が並べられている。
「い、いいよ私は…」
「なーに言ってんの。可愛い年下彼氏が2人も出来たんだから気合い入れないと」
「ちょっ…声が大きい!」
周りに他の客はいなかったが、私は慌てて彼女を咎めた。
「男なんて刺激が無きゃ、すーぐHに飽きちゃうんだからさ。特に年下男子を捕まえとくにはそれ相応の努力が必要よ?」
「ぅ…」
痛いところを突かれ言葉を詰まらせる。
確かに美鈴の言う通りかもしれない。
今は私を好きだと言ってくれている彼らだって、いつ私に愛想を尽かすか分からないのだから…
「…て事で、今日は私が桜子の下着を選んであげる」
「えっ…」
その後小一時間、美鈴は本当に私の下着を物色したのだった…
「もぅ…桜子ってばホントに冒険しないんだから」
「十分したよ!」
結局自分の意志で決めた物を購入した私。
美鈴からはTバックやスケスケの際どい物ばかり勧められたが、私はそれを拒否し別の下着を選んだ。
白地に黒いレースがあしらわれたシースルーのベビードールに、それとお揃いの下着上下。
特に下はサイドで紐を結ぶタイプになっている所謂"紐パン"という物で、私にしてはかなり冒険した方だ。
(そもそもベビードールなんて買ったの初めてだし…)
「まぁ桜子はスタイルいいし、それでも未成年の男の子なら悩殺されちゃうか」
「………」
「その下着つけて彼とHしたら、ちゃーんと感想聞かせてね?」
「…却下」
それから数日後、リアンくんからデートのお誘いがあり、次の休みの日に彼と会う事になった。
.