第10章 NEWS的クライシス。
小山の家で、
小山の脱殻を感じながら
小山を待っていると
よからぬ方へばかり考えが及んでしまって
耐えられなくなった俺は自宅へ戻った。
というか、正確には
自宅へ戻る途中、
丸山くんから連絡があって。
「おシゲちゃん? 今から来れへん?」
「あ、はい! 行かせてもらいます!」
「ほんなら、
こないだと同じ店で待っとるで。」
俺は自宅へ戻ることなく、
待ち合わせの店に向かって。
加藤「あ…お疲れ様です。」
……あれ?
丸山くんと…錦戸くん??
丸山「こっちこそ急に呼び立ててすまんかったな。
来てくれてありがとう。」
加藤「いえ、こちらこそ
お声がけいただいてありがとうございます。
あ…錦戸くん、
お久しぶり……です。」
錦戸「おん…。」
お互いに軽く、
会釈をする。
暫く、丸山くんを中心に会話が進み、
三人愉しく酒を酌み交わして
ある程度酒が進み―――…。
丸山「あんな…、話あるねんて。
亮ちゃんが。
ボク、ちょっとトイレット、行かせてもらうわ!
ボクのことはお気になさらず♡」
ウィンクを飛ばして
丸山くんは個室を出ていった。
錦戸「アイツ、なんやねん。笑
ウィンクされても嬉しないっちゅうねん。
なぁ?w」
加藤「笑」
丸山くんのお陰で
残された俺達が気まずくならずに済み
和やかな雰囲気のまま
会話が再開できた。
「頑張っとるな。お前ら。
ちゃんと……、見とるで。」
「ありがとうございます。
錦戸くんも…。羊の木、楽しみにしてます。」
「ありがとう。
でもあれな、めっちゃムズいねん。笑
監督と取材の模擬練習したくらい
ほんま、ムズくて。苦笑
観た人の数だけ感想あるやろうし、
観終わる度に感想変わるいうか…
まぁ、ますとは観れんタイプの映画やw」
そうやって茶化しながら笑うけど、
錦戸くんは、
多分、今も―――…。
「最近のシゲは……
そういう映画、観るんやな。
さっきマルと…話しとったヤツ?」
「あ、はい…。
錦戸くん、昔はたくさん
音楽や映画、教えてくれてましたよね。」
「……懐かしな…。」
「ほんとですね…。
あの…それで、話って…。」
「おぉ、その……
元気にしとる?」
「…え? あ、まっすー…ですか?」
「……まぁ…とか。。」