第6章 スカーレット
『ぬ、布見つかった良かったね~』
黒「............」
『み、みんなは練習してるのかなあ~』
黒「............」
気まずい...何だこの沈黙は...
光太郎と別れてから話しかけてもずーっと黙り込んだまま
賑やかな駅前から離れれば平日の為か人通りは少ない
駅前から数十分
結月から話かけるが黙々を歩き続ける鉄朗
『もう!さっきからなんで黙ってんの!?』
痺れを切らした結月が隣を黙々と歩く鉄朗の腕を引っ張った
黒「...結月」
『なに?』
ピタリと歩みを止め結月を見つめた
黒「お前のはじめての相手って...木兎か?」
『え?そうだけど...わっ!?』
掴んでいた腕を逆に鉄朗に掴まれて
ギュッと抱きしめられた
ドサッと荷物の落ちる音がした
黒「なあ結月。何で木兎に会いたくねえんだ?」
『なんでって...相手するの疲れるから?』
黒「体力馬鹿の猛禽類のセックスに疲れた?」
『Σはあ!?違う違うっ
10年もハイテンションの光太郎と居て
色々突っ込みいれたりして
疲れたって言ってんの!!?
大体、光太郎としたのだって不可抗力だし!
すっっごく痛かったし!それに...んっ!!!』
黒「アイツの話は聞きたくねえ」
鉄朗のキスにより話を途中で中断された
なんだと―!!自分から聞いていてなんだそれは!?
あっもしかして....
『やきもち?』
黒「...なんだよ」
『そっかそっか鉄朗も妬いたりするんだ~
心配しなくても私が好きなのは鉄朗だけだよ?
それとも鉄朗は私の事嫌いになった?』
瞳にうっすら涙を浮かべて見上げた
黒「俺も結月が好きだ」
『私の方が大好き♡』
グイッとネクタイを引っ張りチュッとキスをした
黒「お返し♡」
首筋に顔を埋めチュッと吸い上げた
チリッとした痛みが走る満足そうに微笑む鉄朗と目が合った
『Σあ~!見える所につけたでしょ!?』
黒「髪おろしときゃバレねえよ
それより早く帰るぞ」
落とした荷物を持ち足早に学校へと帰って行った
その後領収書を渡した時にキスマークを発見され
先生にこっぴどく怒られました