第5章 カナリアゴールド
ビキニの紐を解き手に日焼け止めを馴染ませ
項からゆっくりと塗り込んで背中から腰に向かい指を滑らす
『なんか手つきが厭らしいんだけど....』
黒「気のせいだろ?」
人差し指でつーっと背中をなぞると
ビクッと震え非難の目を鉄朗に向けた
『ヤ メ ロ!?』
黒「動くと見えるぞ?」
ニヤッと笑いそのまま水着の中に手を滑らせた
黒「ちゃんと塗らないと日焼けするぞ」
『んっ、そこは...着てる、から...っあ』
くそっー!阻止せねば海で遊べなくなる!?
グッと力を入れ上体を起こすと
素早く水着の紐をくくり鉄朗を睨み付けた
『砂浜で盛るな変態!?』
悪態を付き急いで海へと走り去った
海に浸し火照った体を冷した
黒「オマエ彼氏にむかって変態ってひでぇな」
『ホントのことでしょうが!?
お詫びとして焼きそばとかき氷奢れ!!』
黒「ハイハイ奢らせていただきますよ」
『やった~鉄朗大好き♡』
黒「んじゃまあ食う前にひと泳ぎするか」
『さんせーい』
泳ぎだした2人どちらも泳ぎは得意で
どちらが早くブイまでたどり着くか競うようになった
スタートの合図で勢いよく泳ぎだした2人
数分後にブイにたどり着き周りを見る
『あれ?鉄朗どこ行った?』
目標にブイにたどり着いたと思ったが
波に流され違う所にたどり着いたようだった
仕方なく浜辺に戻ろうとゆっくり泳ぎだした時
『Σ!?』
急に足が攣りドボンッと沈み込んだ
上手く浮き上がる事が出来ず海の中で手を一生懸命動かす
息が苦しい...
もうダメだと思った瞬間体が急浮上して海面に上がった
『ゴホッゴホッ、あ~死ぬかと思った...』
?「きみ、大丈夫?」
『あ~助けていただきありがとうございます
1回目は痛みも苦しみも無く死んだのに
今回は"苦しんで死ねよ"って言ってんのかと思ったわ』
?「本当に大丈夫?」
何言ってのコイツ?って顔をして
カナリアゴールドの髪色をした人が顔を覗き込んで来た