第22章 何色に染まる?
『やっと着いたっ!』
バスを乗り継ぎやっとのおもいでたどり着いた仙台体育館
岩「結月?」
『え?ハジメ?』
名前を呼ばれ振り向くとハジメが立っていた
そう言えば見にきてたな....
岩「結月お前何でここに居るんだ?」
『今日は定期検診の日だったからね』
岩「は?検診....?」
『そう、妊婦健診♪』
岩「Σっ!」
『なに赤くなってんの?』
岩「何でもねーっ!」
『ごめんごめん怒んないで一緒に行こう』
クスクス笑いながらハジメの腕を引っ張って体育館に入っていった
『ねえハジメ、徹は一緒じゃないの?』
階段を上りながら声を掛けるとスッと指が伸びた
あっいた
岩「.....なんだお前居たのかよ
どっちが勝ってもむかつくから
行かねーつってたろ」
及「Σ!どっちが勝っても
どっちかの負けっ面は拝めるからね!」
『じゃあ白鳥沢の負けっ面が拝めるね』
及「ゆ、結月ちゃん!なんでここに居るの!!」
にこにこ笑ってハジメの後ろから顔を出した
岩「うんこ野郎だな」
『眼鏡かけてて知的に見えたけど中身は変わんないね』
さて徹弄りはこれくらいにして試合見なきゃ
たしか月島が怪我から復帰した辺りだと思うんだけど...
『!っ月島がブロード⁉』
「「「ブレーイク!!!」」」
第五セット 16対15 烏野高校マッチポイントとなっていた
岩「ほんっと雑食だな烏野
眼鏡のブロードなんて初めて見たぞ」
『私も初めて見たよ
まあ囮だったけどね~』
及「俺達は完成度の高い時間差攻撃を易々と捨てられないし
白鳥沢は個人の強さを極めるスタイルを曲げない
それで今強豪と呼ばれてるわけだしね
烏野には"守るべきスタイル"なんて無いんだ」
『強豪って言われてた時代にはあったかもだけどね』
及「うん。だから新しい事に手を伸ばす事に躊躇が無い
あの奇跡みたいな神業速効でさえすぐに捨てて新しくしてきた
古くて堅実な白鳥沢 新しく無茶な烏野
どっちが勝ってもむかつくからどっちも負けろ」
岩「うんこ野郎だな」
『あ~あ。途中まではカッコよかったのに台無しだね』