第22章 何色に染まる?
10月27日
全日本バレーボール高等学校選手権大会
(春の高校バレー)宮城県代表決定戦
決勝戦当日
「――これより
全日本バレーボール
高等学校選手権大会
宮城県代表決定戦
宮城県立烏野高等学校 対 白鳥沢学園高等学校の
試合を開始致します」
ついに始まった決勝戦
だけども私はみんながいる仙台市体育館にはいない
私は病院の待合室でテレビ中継を見ていた
烏野の攻撃から始まった試合
大地のサーブはいいコースだったがアウトとなった
白鳥沢のサーブではネットインしたその時には
旭と龍がお見合いをしてしまい点を取られてしまった
『硬いなみんな...』
なんか孝支が叫んで....あっ主審に睨まれてる
「結月ちゃんおはよう」
溜息を吐きテレビを見ていると
隣の席に座った女性が声を掛けてきた
『あっ!おはようございます
千尋さんも今日が検診日だったんですね』
「ええ、そろそろ性別が分かる時期じゃない?
結月ちゃんは聞く派聞かない派どっち?
私はね色々と揃えたいから聞きたな~
可愛い服とか見つけたら買いたいけれど
主人の親がね"男の子にピンクなんて"って言うのよね~」
『私は男の子でも女の子でも可愛ければいいと思います!』
そうよね~と2人で話していると診察室の扉が開いた
「菅原さん、菅原結月さんどうぞ」
『はい。千尋さん行ってきますね』
ヒラヒラと手を振ってから診察室に入っていった
「うん。順調ですよ~あっ女の子ですね」
お腹にエコーを当てながら
画面を指差し先生はにこりと微笑んだ
...ん?
「言わない方が良かった?」
心の中で小首を傾げていると先生が少し焦ったような声を出した
『聞かなくても良いかなと思ってましたけど
そうか女の子なんですね』
うん。まあいいか。
女の子って鉄朗ママに言ったら喜びそうだしね
『千尋さん、私は女の子だったみたいです』
千尋さんの横に座り診察室の中であったことを話した
「あっ!そうそう結月ちゃん
バレーの試合一セット目終って二セット目始まってるよ」
言われてテレビをみると丁度、牛島のスパイクが決まったところだった
『間に合うかな....』
「行くの?気をつけてね」
会計を済ませ千尋さんに別れを言って病院を出てバス停へと急いだ