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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第12章 弦月


安心したようにすっと瞳を閉じる和奏。

そうだった。
和奏と2人でいる空間は、こんなにも温かくて居心地が良かったんだ。
たとえ、肌を重ね合わせていなくても。

なんだか、ぐちゃぐちゃに絡まった心が解けて行くのを感じる。

和奏が好き。

改めて考えると、こんなに単純な事なのに。
なんで、こんなに複雑な事になっているんだろう。

「ん…。」

頭を撫でられているせいか、和奏がくすぐったそうに身をよじる。

ふと、和奏の一つにまとめ上げられた後ろ髪を見る。
枕に当たって、痛いんじゃないだろうか…。

解いてあげなくては…と、椅子から立ち上がり、
和奏の後頭部側へ回り込む。

「んっ…」

今度は身をよじったような軽い反応じゃないから、
起こしてしまったんだろう。

「ごめん。起こしちゃったね。」

「け…い…?」

解かれたての頭をひねって、こちらを振り向こうとする和奏。

その時、たゆんだTシャツの襟元から見えてしまったんだ。
和奏の体に残された、独占欲の象徴のような無数の紅い跡を。

スッと体から熱が引いていくのを感じた。

「…なんだ…そういう事か。」

「蛍…?何か言った…?」

和奏がしっりと覚醒したのか、僕を見上げてくる。

「普段から体調管理に気をつけてる和奏が、合宿のタイミングで体調崩すなんて、おかしいなとは思ってたんだ。」

「ごめん…なんの話ししてるのか…わからない…。」

胸元の布団をかきあげて、和奏はベッドの上に上半身を起こす。

僕は…何を言うつもりなんだろう。
止まれ。止まれ。と思うけど、心と頭は冷静でないと連動しないのかもしれない。

「彼氏とヤリ過ぎて、疲れて…体調不良?可笑しすぎて笑えないよ。それとも和奏は淫乱だから、王様のじゃ物足りなくて、何回も頑張っちゃったとか?」

和奏が信じられないような物を見る目でこちらをみる。
僕だって…こんな状況信じたくない。

「王様で満足出来ないなら、言ってくれればいつでも抱いてあげたのに。」

このままだと嫌われるとわかっているのに、
そんな事で止まれるなら、最初からこうなってはいない。
目に涙を溜める和奏の後頭部を押さえて、無理矢理唇を貪った。
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