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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第12章 弦月


「あの…蛍…。」

やってしまった。
いくら和奏が倒れてあせってたって言っても…
こんな時間に医務室に人がいない事くらい気付けただろう。

和奏が気まずそうにこちらを見上げている。

「いいんだよ。これで。鍵は開いてるわけだしさ。しばらく中で休んで行きなよ。戻ったらまた無理にでも働いちゃうんだから。」

ドアノブに手を掛けると、予想外にすんなり開いたので、
中に入り、和奏をベッドに下ろした。

「でも…こんな所に1人で居るのは寂しいし、部屋に…。」

「ダメだよ。部屋に戻っても他のマネージャーさん達に合わせてお喋りしちゃって、休めないでしょ。それに…僕が和奏の事置いて行くわけないでしょ。」

部屋の隅から、椅子を持ってきてベッドの側に座ると、
和奏も安心したように横になった。

「うん…。あの…ありがとう。」

「別に、お礼言われるような事した覚えないけど。」

何が面白かったのか、和奏はふふふと笑っているので、昔の癖で和奏の前髪の辺りをサラサラと撫でる。

「もう休みなよ。」

「…、寝るまで、そうしててくれる?」

昔から和奏が眠れない時はこうやって頭を撫でてあげていた。

「…。言われなくても、そのつもりだよ。」
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