第12章 弦月
やっぱり今一つ調子が出ないまま練習が終わった。
打って変わって変人コンビは絶好調だ。
「俺、絶好調ー!」
いや…うん、確かに木兎さんも絶好調だった。
「へいへーい!ツッキー、俺にぶち抜かれたからって凹む事ないぞ。」
「…。いや、木兎さんのスパイクを止められないのなんて、いつもの事なんで。」
一層の事、止める実力があれば、止めまくって、
木兎さんのテンションを下げて黙らせたいくらい煩い。
「そう、しょぼくれるなよ!よし!自主練だ!ブロック跳べ。」
「それ…本当に僕の為の練習ですか?それとも木兎さんの…」
そもそも、しょぼくれてないんですけど。
そう呟く僕の言葉なんて、木兎さんに届くはずなく、
ズルズルと強制連行される。
こうなると抵抗しても無駄だな。
チラッと視界の隅に和奏がうつる。
もう体調は大丈夫なんだろうか?
ちょうど王様にタオルを差し出している。
王様も…普段とキャラ違い過ぎるでしょってくらい笑顔だし…。
和奏も何か楽しそうに話し掛けてる。
大人しく木兎さんについて行こう。
僕もここには居たくない。