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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第10章 新月


シャワーで更にスッキリと目覚め、部屋に戻るとちょうど携帯が鳴っていた。

[今から向かうから。]

影山くんからメッセージだ。
そういえば、家を出る時に連絡くれると言っていた。

なんて返そう。
待ってる。…いや恥ずかしい。
はい。…素っ気なさすぎる?

うーん。と少ない語彙力を振り絞っていると、手元で携帯が震えだした。

[月島 蛍]

蛍からの着信だ。
昨日の電話は影山くんが出てしまって、蛍とは直接話していない。
数時間会っていないだけなのに、昨晩の事が遠い昔の事のようで…蛍と話したい。
そういう衝動に駆られる。

「距離置くんじゃなかったのかよ?もう2人で会わないんだろ?違うのかよ?」

昨晩の影山くんの言葉を思い出し、通話ボタンに伸びた指が一瞬躊躇する。
そのタイミングで電話がきれた。

[和奏、ちゃんと話したいんだ。今、迎えに向かってるから。]

間を空けずに蛍からのメッセージが届く。
私も…話したい。会いたい。でも…。

[ごめん。会えない。」

あんなに真剣に向き合ってくれる影山くんを…どうしても裏切れない。

[僕には会えない理由とか、わからないんだけど。そこに王様がいるの?]

蛍は、私と影山くんが朝まで一緒に居たと思ってるんだ。
今も一緒に居ると。
そして…体の関係を持ったと思ってる。

違うの…って弁解したい気持ちと、
勘違いしてくれてるなら、それでもいい。という気持ち。

今、蛍と向き合うと、心が真っ二つに裂けてしまいそうだ。

携帯の電源ボタンを押して、画面の黒くなったケータイを机の上に置いた。
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