• テキストサイズ

【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第9章 有明月


「和奏いるんだろ?開けて。」

普段は鳴らさないインターホンを押したのは、
勝手に戸を開けた時に、和奏と王様が…なんて、
見たくもないものを見ない為の防衛本能だったのかもしれない。

気配はあるのに、返事のない和奏の様子に深いため息をつき、手元の合鍵を見つめる。

僕はいつだって和奏の意思は無視してきたな。
勝手に家に上がり込んで、
勝手に周りの男どもを牽制して、
勝手に嫉妬して、
勝手に抱いた。

和奏は何を望んで居たんだろう。
今まで和奏の考えてる事なんて、わざと知らないふりして来たのに。
今なら和奏の望みなら、何でも叶えられる気がする。
本当…自分勝手だな。

合鍵を鍵穴に差し込み、施錠を解除する。
ガシャッと、馴染みのない音と振動が右手に伝わる。

チェーンロックか。

こんな当たり前の装備が和奏の家に備わったいたなんて、今の今まで考えもしなかった。
いつだって、この合鍵一つで和奏に会えたのに。

薄く開いた扉のすぐに内側に和奏が居るのがみえる。
ずいぶん懐かしく感じる。

「そんなに…僕と会いたくないの?王様に…彼氏にそうしろって言われたの?」

状況的に全部冗談だったなんて、奇跡…ないだろう。
口に出すと、今の状況が突然しっくりと来る。

和奏には彼氏が出来て、僕はフラれたのか。
まだ、自分の気持ちを伝えてもないけど。
/ 140ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp