第6章 半月
「ひゃ…」
逃げようと必死な和奏の耳を甘噛みする。
力の差を考えたら逃げるなんて、無理なのにね。
ピチャピチャとわざと音を出しながら、和奏の耳を舐め回し、囁く。
「お仕置きなんだから、大人しくしなよ。」
囁かれただけで、和奏の体がビクっと跳ねたのがわかった。
和奏は耳も弱いよね。本当…可愛い。
近くにあった荷造り紐に手を伸ばす。
こんなの使ってるの見た事ないけど…廃品回収用?
そんなどうでもいい事を考えながら、和奏の手を背中でひとまとめにして縛る。
「いや。蛍!何これ?嫌だ。外して!」
初めての事に和奏が慌てている。
そんな様子さえも可愛い。
「大丈夫だよ。和奏はMなんだから。きっと縛ってる方が気持ちよくなれるよ。それとも、他の場所も縛ってあげようか?」
いやいやと首を横に振る和奏。
まだだよ。お仕置きなんだから。
丁度いい長さのスポーツタオルを持ってきて、今度は和奏の目元を覆い隠す。
「いや。蛍!これは本当に嫌だよ。外して。見えないよ。」
「見えなくても、僕がここに居るのはわかるでしょ?」
ベッドの上に和奏を座らせ、その後ろから和奏を抱きしめる。
耳を甘噛みしてあげると、先程よりも大きく跳ねる和奏。
「ほら。和奏も見えない方が気持ちいいみたいだね。本当…エロ過ぎるでしょ。」
「いやだ。蛍。怖いよ。怖いから、外してよ。」
相変わらず、いやいやとしか言わない和奏。
少し黙らせないと。
和奏に後ろを振り向かせ、深く唇を重ねる。
空いている両手は、和奏の制服とブラジャーを一気に捲り上げ、両胸を揉む。
クチュクチュと唾液の音だけが部屋の中に響いている。
すぐに突起した可愛い両乳首を、摘んで指で転がしてあげる。
「ふ…ん。んっ…。」
和奏の呼吸が乱れてきて、
キスの合間に色っぽい声が混ざる。
「ねぇ、王様と何があったの?」