第6章 半月
僕の和奏が…。
王様がいくらかバカだろうと、今の言葉の意味はわかったのだろう。
少し顔つきが険しくなる。
「迷惑って…別にお前の女じゃないだろ。」
ザワっと全神経が逆撫でされたのがわかった。
でも、こんな事でいちいち噛み付く必要はない。
「まぁ…確かに違うけど…。和奏、本当に体調不良なの?」
確かに和奏は僕の彼女じゃないけど…。
それを言うなら、王様もでしょ?
いくら王様が和奏の事好きだって、和奏が王様の事をこれっぽっちも意識してない事くらい、
そばで見てたらわかるんだから。
「……。お前に教えてやる事なんて、一つもない。」
「……。あっそ。別にいいけど。」
そっちがそのつもりなら、僕は和奏に直接確認するだけだよ。
これ以上話す価値もない。
それから練習終わるまでは、イライラしっぱなし。
「ツッキー…?」
なんて、山口がたまに様子を伺ってくるが、
他の部員は近付いても来ない。
練習終わりに携帯を確認して、相変わらず既読のつかないメッセージ達に、更にイライラを募らせた。