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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第1章 朔


「和奏、今日泊まっていってもいい?」

蛍はこちらを見ることもなく、ベッドサイドの眼鏡に手を伸ばしながら尋ねた。

「どうせ、最初からそのつもりだったんでしょ?明日も朝練あるんだから、早く寝よう。」

蛍が何の事前連絡もなく、夜10時以降に訪ねてくる時は、そのまま泊まって行くに決まっている。
それくらいは長い付き合いでお見通しだ。

蛍はベッドから抜け出すと、勝手知ったる様子で冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出している。

そんな様子を横目で見ながら、私の両親もタチの悪い相手に、合鍵を託したものだな…なんて考えているうちに私は深い眠りに落ちていった。

私と月島蛍が知り合ったのは…覚えてもないくらい昔の事だ。
家がお隣同士の同級生…いわゆる幼馴染というやつだ。
小さな頃から何をするのも一緒だった。

初恋の相手が幼馴染なんて、ベタだけど…類に漏れず、私の初恋の人は蛍だった。

強がりで過去形で言ってみたが、幼い頃からの恋心が簡単に心変わりする事はなく、私は今でも蛍の事が好きだ。

付き合えたら…と何度も思った。
そう、私と蛍の関係性は昔からあまり変わらない。
憧れていた彼氏彼女の関係には一歩も近付く事が出来ていない。

幼馴染。そして、最近ではセフレ。。。
むしろ、遠退いているのではないかとさえ思う。
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