第17章 満月
蛍の長い指が中に入ってきて、
迷う事なく私のいいところを刺激する。
「蛍…急に…激しくしちゃダメぇ。こんな…のすぐにイっちゃ…よ。」
いつの間にかベッドに運ばれて…
いつの間に服を脱いだのかもハッキリ覚えてない。
ただ夢中で蛍の身体にしがみついていた。
「指だけですぐにイッちゃうなんて…。相変わらずだね。いいよ。可愛くイクところ見せてよ。」
「い…やぁ。けい…。イク…。本当にイッちゃ…ああぁぁ。」
緩急つけない激しい動きに、あっという間に達してしまう。
「けい…。」
まだ、ぼーっとする意識の中で蛍を呼ぶと、
いつものSっ気溢れる表情の蛍は居なかった。
「ごめん…。和奏が他の奴にも抱かれたんだと思ったら…嫉妬しちゃって…。もう優しくするから。」
影山くんと関係を持った事を少し後ろめたく感じるが、
蛍が妬いてくれている事を嬉しく思う気持ちの方が強い。
「何で…?激しい蛍も好きだよ?」
「僕の事、これ以上煽ってどうされたいのさ?責任取ってもらうからね。」
蛍が自身を当てがい一気に奥へ進める。
何だか泣きたくなった。
これまで何度も重ねてきた行為なのに…
こんなに幸せな気持ちは初めてだ。
「蛍…けい…けい…。」
夢中で何度も名前を呼んでいた。
「もう泣かせない。和奏は僕が守るから。」
2人が達する直前に蛍が言った言葉だった。