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【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第17章 満月


心地の良い微睡みに身を任せていると、
おでこに温もりを感じて、ゆっくり目を開けた。

「ごめん。起こしちゃったね。」

せっかく起きたから、もう一回…なんて、言いながら蛍が私の額にキスを落とす。

なんだか、凄くくすぐったい。

「蛍…キスしたい。」

我ながら凄く甘えた声が出たが、
蛍が嬉しそうな表情をするので、こういうのもいい気がする。

「そんなお願いなら、いくらでも叶えてあげるよ。」

チュッとリップ音を鳴らしながら、蛍がキスしてくれる。

例えば、こういう気持ちが積み重なって、幸せになっていけるんだとしたら、
やっぱり、この気持ちは蛍と分かち合いたい。

遠回りしないとわからなかった事…確かにあるだろう。

蛍への気持ち。
蛍の大切さ。

隣にいるのが当たり前じゃないと理解したからこそ、
隣にいる事が尊く思える。

この気持ちを忘れずにいたいと思う。

「ねぇ、蛍。もう一つ叶えて欲しいお願いがあるの。」

「なに?あんまり無茶なのだったら却下するよ。」

蛍が手のひらを私の頬に添わせる。

「ずっと私の隣に居て…大人になったら、結婚してくれる?」

蛍が少し目を見開いた後に、優しく微笑んだ。

「当たり前でしょ。」

蛍の答えと共に、優しいキスが降り注ぐ。

幼い頃の約束を、もう一度ここから始めよう。
隣にいる事が尊くて、当たり前な未来へ。

end.
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