第17章 満月
蛍とは本当に長い付き合いだけど、こんな蛍は見た事がない。
正確に言うと、昨晩を除いて。
あんなに素直じゃない蛍が…
こんなにも真っ直ぐ思いを伝えてくれる。
それだけで、涙が溢れそうになる。
「ねぇ、和奏。僕は和奏の事が好きだよ。隣にいて欲しいと思うのはこれまでも、これからも和奏だけ。なかなか素直になれなくて、こんなに遠回りしたけど…いい加減、僕だけのものになってよ。」
幼い頃に当たり前の様に隣に居ると約束した。
あの時よりも遥かに嬉しい。
言葉が出なくて、ただ首を何度も縦に振った。
感動すると人って言葉を失うんだ。
蛍を見上げると、向こうもこちらを真っ直ぐ見つめていた。
蛍の温かい唇が触れると、どちらともなく舌を絡め合う。
もしかしたら、今が人生で一番幸せな時かも…。
「ねぇ、和奏。昨日からいい加減、我慢の限界。こっちも僕のものにするよ。反論は認めないから。」
蛍が下着の上から秘処をこすりながら言う。
そんな事をしたら、キスで濡れてしまっているのがバレてしまう。
「蛍…。私も…蛍が好きだよ。今までも、これからも、蛍だけは特別。」
そう言えば、私の気持ちを伝えてなかった。
そう思って、蛍をギュッと抱きしめながら伝える。
「今ので…手加減出来なくなったから。覚悟しなよ。」