• テキストサイズ

【ハイキュー!!】月と影の奏で R18

第16章 佳月


「あの…今日はいつもより早いんだね。」

ひとまず中に…と和奏が俺を招き入れながら、そう言う。

今更…話題をそらすなんて、無理な話だろう。

「俺が…いつも通りの時間に迎えに来て、月島とバッティングしなきゃ、隠してようとでも思ってたのか?」

「違う!ちゃんと、今日話すつもりだった!」

バッと慌てて振り向く和奏。

そんなに慌てなくても、知ってるよ。
隠れて二股なんて掛けられるタイプじゃない事くらい。
でも…。

「俺は…知らずに済むなら、嘘付かれてでも、知りたくなかったけどな。」

情けない事を言っているのはわかってる。
それでも、ショック過ぎて…。

「あ…の…。ごめんなさい。」

和奏が泣き出す。

泣くなよ。ズルいだろ。
和奏が泣いてると、俺はどうしたって和奏を許してしまうのに。

「なぁ…月島に…抱かれたのか?」

わかってる。
こんな質問…もう意味ない事だって。
でも、最後くらい彼氏ヅラさせろよ。

ブンブンと首を横に振る和奏。
嘘では無いのだろう。

「じゃあ…酷い事はされてないんだな?」

これも…今更、何の心配だよ。
和奏が酷い事されて、月島の事嫌えばいいのに…なんて、ちょっとでも考えてしまった自分が許せない。

「影山くん…ごめんなさい。私…。」

例えば、クラスの奴らが付き合っただの、別れただの話している時に、「他に好きな人が出来て」って言うのは、別れの理由でよく出てくる。

珍しくもない使い古された理由。
でも…言われる方はこんな気分なんだな。
まるで、死刑宣告だろ。

「なぁ、付き合う時に質問した事、覚えてるか?どうしても月島じゃないとダメなのか?って。今なら…どう答える?」

ただ、宣告を待ってるだけなんて、性に合わない。
こんなの自分に不利なだけの誘導尋問だけど。
/ 140ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp