第14章 煙月
無我夢中で和奏を堪能していたので、
達するまでにどれくらいかかったか覚えてもない。
和奏がぐっと背中を反らせ、絶頂したところまでは覚えているが。
「悪りぃ。無理させたな。大丈夫か?」
和奏をベッドまで運び、座らせる。
「もぅ…、突然過ぎるよ。」
ぷぅっと膨らむ様子が可愛すぎて、
また押し倒したい衝動を抑えきれない。
「突然じゃなかったら、もう一回いいのか?」
えっと…と、和奏が照れているのがわかる。
この反応が拒絶ではない事を俺は知っている。
大丈夫。
和奏はちゃんと俺の物だ。
返事を待たずに、ついばむような軽いキスを何度も送る。
その時、和奏の携帯が震えだした。
[ブーブーブー]とバイブ音が、キスの音を制して部屋に響き渡る。
「潔子先輩…かな?」
合宿の荷物の件かも…。と続ける和奏。
「出れば?」
上から退いて、和奏を解放する。
本音を言えば…清水先輩と言えども、何て間の悪い電話だろう。
今すぐにでも和奏の喘ぎ声が聞きたいのに。
「うん。ごめんね。」
ジャージの上着だけ簡単に羽織り、和奏がベッドから出て行く。
すぐに戻って来る事は分かっているが、俺1人がベッドの上で下半身裸で待っている状況は気まずく、一旦下着を履き直す。